/
2023/12/28
スペクテイターという雑誌でマクルーハンという人物を知りまして。一大旋風を巻き起こしたという彼の著作を読んでみたいなと思って読んでみました。
サンプリングで作られた本。文章だけでなく写真やイラストも大量にサンプリング。これ著作権クリアしてるのかな、と心配になるほど。
こういうサンプリング的手法で作られる本って、日本では書店には流通してないけど、zine界隈ではときどきあったりする。でもこの『メディアはマッサージである』は1967年代に作られた本で、アメリカのヒップホップカルチャーがサンプリングを取り入れたのも1979年になるから、だいぶ時代を先取りして、自由な発想で作られている。
当時は著作権がユルかったというのももちろんあるだろうけど。
でもこういう自由な発想で本を作ってもいいんだ、これが一大旋風を巻き起こしたんだ、という事実は、枠からはみ出せ!という勇気を与えてくれる。文章が書けないなら他人の名文を貼れ、芸能人を載せたかったら勝手に載せろ、イラストも載せちゃえ、本は爆発だ、みたいな。
この本に載っているのはメディア論だけど、常軌を逸した本を作りたいときに読むと最高にインスピレーションを貰える。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
POPEYE 2021年 5月号 [普段使いの東京案内。] POPEYE
これは素晴らしいよ! ポパイの東京特集を読むたびに、数年前に出た「東京に友達が来たら君はどこに連れていくか」という切り口が最高だったな~って思ってたんだけど、今回の切り口もそれに匹敵するくらい素晴らし …続きを見る
ILLUSTRATION 2014 SE編集部
毎号完璧で特に言うことがないです。目が幸せで、毎回新しい発見があり、世界が広がっていく。自宅用と職場用、二冊欲しい。ちなみに当然絶版で、Amazonで中古で買ったんですけど「株式会社コロプラ蔵書」って …続きを見る
日本車大図鑑 第2版 菊池憲司
これはスゴイ!
日本の乗用車のほぼすべてが詰まった本
今までの全自動車のカタログ的な本ないかなって探してたんです。
年度ごとのムック本はあるものの、アーカイブ的な本がなくて。
トヨタとかの …続きを見る
Million Onion Hotel「秘蔵の開発ノート」 OnionGames
かつて「moon」という伝説のRPGを作ったUFOチームのメンバーが作った「Million Onion Hotel」というゲームアプリの開発ノート。
まぎれもなくUFOチームは天才集団で、でも寡作で …続きを見る
グランドゼロ [GOD‐GUN世郎<グランドギア>]改題 HIROSUKE KIZAKI MEMORIAL EDITION 木崎ひろすけ
木崎ひろすけ作品をすべて読みきってしまいました。もうこの世に氏の作品はなく、新たに産み出されることもありません。悲しい。
木崎ひろすけ氏のデビュー作です。雑誌の廃刊に伴う連載終了のため、風呂敷を …続きを見る
THE北斎 冨嶽三十六景ARTBOX すみだ北斎美術館(奥田敦子), 葛飾北斎
ゴッホとか西洋画が好きなくせになんでゴッホに影響を受けた北斎や浮世絵をちゃんと見てこなかったんだろうと思って北斎美術館に行きました
で、葛飾北斎による浮世絵は、この有名な富嶽三十六景以外にも諸国 …続きを見る
キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘 西尾維新
西尾維新読者は西尾維新を信用していない。
それはつまらないとかそういう意味ではなく、主人公が抱いている感情や、登場人物たちの発言や、繰り広げられている舞台そのものが嘘である、という意味で。
だから …続きを見る
不運な女 リチャード・ブローティガン, 藤本和子
ブローティガンの自殺後に、遺族が遺品から見つけた作品。作品はブローティガンが自殺する2年前に完成していた。
このブローティガンの最高傑作は彼が死ぬまで表に出ることはなかった。
ブローティガ …続きを見る
私は今、旅をしています。 さけハラス
さけハラスさんの商業初画集。日本の観光名所に行って、その風景と、オリジナルの少女のイラストを合体させる、っていう感じの画集です。
で、絵だけでストーリーを想起させる説得力があるのに、今回の画集に書き …続きを見る
マーティン・イーデン ジャック・ロンドン, 辻井栄滋
もし本というものに生命力というパラメータが存在するとしたら、地球に隕石が降り注ぎ世界が荒廃に向かっても、この本は変わらず輝きを放ち続けていることでしょう。
労働者階級の男が、乾いたスポンジが水を …続きを見る