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2023/02/02
近藤聡乃さんが2011年から2012年にブログに書いていた文章を書籍化したもの。もちろん書籍化される前提で書かれたものではなく、ファンに対しての近況報告だったり、近藤聡乃さん個人の備忘録に近い。
だからすごくリラックスした文章で、タイトルにもある通り地味な話ばかり。
だけれども、読んでいると記憶の扉が開きまくってくる。脳のトリガーみたいな役割を持っている。
本書には、近藤聡乃さんの幼少期の頃の記憶をテーマにしたエッセイが頻出する。
その、近藤聡乃さんの記憶が、私個人の記憶と結び付くのだ。
これは、私と近藤聡乃さんの年齢差が10歳以内というのもあると思う。
あるエッセイで、「紫陽花の根元を見ていたら、猫の死体があった」という一節が出てくる。
たぶん、この紫陽花の周りの空気の色は、あの時代のあの色なのだと思う。周りの建物も地面も、あの時代のあの色のものなのだと思う。
それは、いま20歳くらいの人が想像で思い浮かべる光景とは、どうしても違うものなのだ。
そんな、近藤聡乃さんの子供の頃の記憶の描写を見るたびに、「そういえば蟹の死骸が自転車置き場の間に落ちていたな」とか、「体育館に県を代表する美術家の絵が飾ってあったな」とか、自分でも忘れきっていた記憶の扉がバンバン開いていく。
本自体はなんの変哲もないものなんだけれども、記憶を開く鍵として持っておきたい。
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