REVIEW

山妣(やまはは)

山妣と書いて、やまははと読む。いわゆる山姥(やまんば)の物語なのだが、2段組で約500ページと分量がかなり多い。舞台は明治末期になっても江戸時代と変わらぬ暮らしが続く、越後の豪雪地帯。しかも季節は鳥居 …続きを見る

土の記(上)(下)

圧倒的な描写の小説だ。奈良の中山間地、過疎の里山で農事に勤しむ70代の男が主人公だ。交通事故に遭い、植物状態のまま16年寝たきりだった妻を冬に失った年の梅雨から、翌年までの男の暮らしが、精彩に描かれる …続きを見る

ダムヤーク

文章がうまい人は、何を書いてもうまい。 村上春樹は小説が素晴らしいのはもちろんのこと、エッセイも面白いし、東京ヤクルトスワローズのホームページに書いた小話ですらも面白い。 同じように、何を書い …続きを見る
BY: takahashikazuna

宮本常一を旅する

著者は現在、武蔵野の国立ハンセン病資料館で学芸員をしている木村哲也。彼が全国を旅した民俗学者・宮本常一の足跡を追っていった記録だ。訪れた時期は木村が学生だった90年代が多いが、それから改めて取材してい …続きを見る

東電OL殺人事件

ノンフィクション作家による事件ルポルタージュだが、まるで探偵小説のように書き手が行動というより、突っ走っていく。完全な公平中立という立ち位置は不可能なのだろうが、書き手は警察の稚拙な捜査をあげつらい、 …続きを見る

令和元年のテロリズム

「川崎市中1男子生徒殺害事件」をきっかけに川崎の不良や在日といった暗部と、そこから這い上がり連帯する人々を描いた「ルポ川崎」の著者・磯部涼が、登戸の殺傷事件、それに触発された元農林水産省事務次官による …続きを見る

残火

タイトルはのこりび、と読む。白昼堂々、議員会館から盗み出されたヤミ献金一億円。盗んだ犯人は、かつて名を馳せた伝説の元ヤクザだった。犯人を今は議員会館の老守衛となった元マル暴刑事が追う。そして議員やヤミ …続きを見る

最果ての街

冒険小説、探偵小説を得意とする西村健が、東日本最大のドヤ街、山谷を舞台に描いた作品。ドヤ街、山谷とは日雇い労働者の街で、ホームレスも多い。その中で1人のホームレスが惨殺されてしまい、ハローワークの山谷 …続きを見る

冷酷 座間9人殺害事件

ノンフィクションライターによる、大量殺人事件の犯人との面会と裁判ルポ。面会はある日唐突に終わってしまったし、裁判の傍聴は高倍率だったため実際はほとんどできてなかったと著者は書いているが、十分に考えさせ …続きを見る

北のまほろば―街道をゆく〈41〉

1996年に亡くなった司馬の、94年の冬と夏の旅をまとめたもので、最晩年のエッセイになる。街道をゆくはこの後、三浦半島記と絶筆となった濃尾参州記のみで、一連のシリーズの中でもかなりの厚みがあり、それだ …続きを見る

古文書返却の旅――戦後史学史の一齣

著者は日本中世史の学者・網野善彦。といっても、日本史学の本流である政治史ではなく、中世から近世にかけての漁民や流通に従事した名もなき人々や、寺社の清掃や牛馬を扱う人々などを研究していた、言ってみれば異 …続きを見る

土に贖う

北海道を舞台にした産業の盛衰、人々の来歴を描いた連作短編。淡々とした筆致だが、作者が実によく北海道の産業を調べていることがわかる。北海道の大きな産業といえば炭鉱や漁業、農業などだが、作者がテーマとした …続きを見る

アドセンス336×280レクタングル(大)