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2023/12/28
羽海野チカさんが手掛けたFGOのキャラクター・オベロンが産まれるまでを描いた同人誌。自費出版本。
ひとつのキャラクターを産み出すだけなのに、ひとつのキャラクターを産み出すことの大変さが質量となって現れている。無数のスケッチ、試行錯誤の数。
他人の脳内にあるキャラクターを具現化させることの難しさ。
自分のキャラクターは自分の脳内にあるものをそのまま描けばいい。だから、今までラノベの挿し絵とかコミカライズみたいな、誰かの一次創作あってこその仕事をちょっと見くびってた部分があったんだけど、こんな苦難を見てしまったらとてもそんなこと言えない。
羽海野チカさんは誠実なひとなんだと思う。羽海野チカさんは自分のことを誠実だとか考えたことすらないかもしれないけれど、心の底から誠実じゃないとこんなにひとつのキャラクターと向き合えない。
魂の本でした。
アドセンス336×280レクタングル(大)
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