/
2020/03/05
洋楽誌『ロッキング・オン』の編集長を1990年から96年にわたり勤めてきた増井修さんの解雇エッセイならぬ回顧エッセイ。
増井修ファンはロッキング・オンとの裁判の経緯が知りたいところだろうけど、そのあたりには触れられず。
和解理由として口外できないっていうのがあるんだろうけど。
当時の『ロッキング・オン』は10万部を超える売り上げがあって。洋楽しか扱ってない雑誌が10万部だよ? 異常。
その異常な売り上げを支えていた要素のひとつとして、増井さんの類いまれなる文才があったと思うのです。
本書は、そんな増井さんの類いまれなる文才が音楽という鎖に縛られずに全方向に突出。トゲトゲのパラメータが枠を振り切って脳にぶっ刺さってくる。
この本は増井さんの語りを、当時増井さんと一緒に仕事をしていた文字起こしさんがテキスト化ものをまとめたものなんだけど、口述筆記だろうが面白いものは関係ないよね。
というか口述筆記なのに当時と変わらない面白さなのがヤバイ。語り起こしだけで人を惹きつけられる天才。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
form l code 村田蓮爾第三画集 村田蓮爾
笑っちゃうくらいデカいですね。置き場に困るほど。
リングノートみたいに、輪で閉じてある画集です。特殊な構造だから本にダメージを与えずに読むのがすごく難しいです。
定価は1万円超だけど、内容的に …続きを見る
anna magazine vol.10 anna magazine
増税前にAmazonに在庫があるだけのアンナマガジンを購入しました。自分以外にこの雑誌を知っている人に出会ったことすらない。だからめちゃめちゃ応援してます。
やっぱいいですね。何も紹介する気がない作 …続きを見る
いつもよりも具体的な本づくりの話を。 北尾修一
ネットで世界中の人に文章を読んでもらうことのできる現代だからこそ、1~2万部の紙の本を年に数冊作って小さく生きていく方法もありますよ、という本
スター編集者になるための方法論ではない、どこにでも …続きを見る
ILLUSTRATION 2020 平泉康児
ここ何年かのイラストレーションは萌え絵ばっかりで構成されていて、とても表現の幅が狭くてつまらない本になっていたんだけど、これは素晴らしいよ! 初期のイラストレーションが戻ってきた感じ!
これから旬を …続きを見る
高田馬場アンダーグラウンド 本橋信宏
鶯谷、渋谷円山町、上野、新橋など山手線の各駅前を「異界」としてとらえ、取材してきた本橋が5番目に選んだ街は、高田馬場だった。所沢で生まれた本橋の父親は、戦後間もない頃に早稲田工業高校を卒業し、西武鉄道 …続きを見る