毎年1月になると、沖縄の荒れる成人式が様子が全国ニュースになりますよね
沖縄や北九州が荒れて、ほかの地域では荒れない理由ってなんなんだろう?
って疑問に思う人ってどれくらいいるんでしょう
多くの人は「馬鹿だなあ」で終わり、
こんなニュースがあったことなんて1週間もすれば忘れちゃいますよね
著者の打越正行さんは、「沖縄ってそういう国民性なんだろうな」では終わらせませんでした
著者は沖縄に行き、国道を爆走する暴走族に原チャリでついていき顔を覚えてもらい、沖縄のヤンキーが多数在籍する土建会社に就職
そこから10年間、沖縄のヤンキーの生態をその目と体で記録しつづけました
すごいよ
忍耐力とか、執念とか、時間とか、それらを沖縄のヤンキーの調査のためだけに使うって研究者としての業みたいなものを考えてしまうよ
本書は、沖縄の暴走族と、彼らの就職し土建業、風俗経営者などになった者たちを追ったもの
沖縄の成人式が荒れるのって、沖縄特有の縦社会の強さなんだとか、沖縄でヤンキーが一発逆転する方法なんてそもそもないんだとか、
そういうのが沖縄にヤンキーが多い理由なんだけど、
点と点の調査というか、個人個人のケース紹介で終わっているのがもったいない気がしました
こういう歴史が続いてきたから沖縄のヤンキーはこういう生態をしていて……みたいな考察がほしかったかな
でも今後また沖縄のヤンキーの10年を研究する人が現れたらこの本の価値はもっと高まると思うし、
線が面になっていくし、この本が未来の研究者を生む種になったらいいですよね
もしかしたら打越正行さんが今後の10年をさらに研究するかもですし