俗に「渋谷系」と呼ばれる音楽はどのようにして生まれ、今の時代の音楽にどのように息づいているのかを綴った本。
この本はほぼ牧村さんの語り起こしで書かれていて、語り口をそのまま文字にしているから最初はまあなんて読みづらい本なんだろうと思いました。
でも内容が面白すぎてどんどん惹き込まれていく。
音楽論だけにとどまらず、そもそもの渋谷という街の成り立ちから変遷、流行、環境、社会論から渋谷系を語るという、渋谷系という性質に対するコンプリートガイドというか、まさしく図鑑。
日本におけるロックンロールの成り立ちはムッシュかまやつだとか、青学だとか、はっぴいえんどはどうだったとか、渋谷はこういう形状の街だからこういう音楽が集まっていって、こういう路線が通っているからあの街の音楽と融合し、こういう開発が行われたからこういう音楽が残ったとか、牧村さんでなければ語れない内容。
日本の音楽史を知るためにも最適。素晴らしい本でした。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
ニッケルオデオン 赤 道満晴明
道満晴明は唯一無二である。そして天才である。異論は認めない。彼が紡ぎ出すこのショートショートの世界は誰にも真似できない。胸キュンもシュールもBLもキチガイもグロもユーモアも全てが詰まった8ページ13編 …続きを見る
Casa BRUTUS特別編集 時代を超えて愛される、デザインの良い車。 Casa BRUTUS
現在でもデザイン的に引けを取らない名車を集めた本
表紙のワーゲンゴルフをはじめ、ルノー 4やフィアット500など、みんなが納得する名車ばかりがラインナップ
旧車とまではいかない80~90年代の車が …続きを見る
Perfume COSTUME BOOK 2005-2020 『装苑』編集部, Perfume
Perfumeのメジャーデビュー以降のほぼ全衣装をまとめた本です。実に731着。
これだけの物量があると単純に楽しいですし、同じ人物を対象としてよくぞこんな多彩な衣装を作れるなあと感動します。たぶん …続きを見る
いのうえの 満月篇 三日月篇 井上雄彦
2008年に行われた「井上雄彦最後のマンガ展」の図録。先日の井上雄彦本を読んで、井上雄彦熱が高まったのでメルカリで購入。メルカリは便利だ。出品のハードルが低いから、これまで埋もれていた商品がいっぱいで …続きを見る