『NEEDY GIRL OVERDOSE』を制作したにゃるらさんが、R・D・レインの『好き?好き?大好き?』と、この『結ぼれ』をオススメしていたので読んでみました。
人間の心理をデッサンした詩集です。
漫画家の山田花子さんの作品で「気にしてることがわかったら嫌われるかしら
なんて思ってることがわかったら嫌われるかしら
なんて思ってたら嫌われるかしら…」
という有名なコマがありますが、まさしくそれを描いた作品です。
二人の人物がお互いの心を探りあう。
自分は相手の考えていることがわかっている
相手も自分が考えていることがわかっている
自分は相手の考えていることがわかっていると悟られていることがわかっている
相手も自分の考えていることがわかっていると悟られていることがわかっている…
と、心が堂々巡り=結ぼれ していく様子を描いています。
大人になると人間関係において駆け引きだったりでこういう状態に陥って、自分からドツボにハマって落ち込むことがありますよね。
バカなふりをして相手の懐に一気に飛び込むという手もあるけれど、そんな博打はなかなか打てない。
バカなふりをして飛び込んだ、ということすら相手にわかられているかもしれない。
相手にわかられているかもしれない、ということがわかっている。
こういう感情って、これまで明文化されてこなかったものだと思います。
この本でも明文化できているとは言い難い。
そもそも明文化できないような感情。
だけど駆け引きってこういう感情だよなあと思いました。
ぐるぐると螺旋階段に落ちていく感覚。