森鴎外の娘で50歳を越えてから作家になった森茉莉さんの食エッセイ。食いしん坊で料理上手の茉莉さんの食へのこだわりがふんだんに詰まった一冊。
この本というか森茉莉さんの書かれる文章が好みすぎて全エッセイ購入しました。この本が書かれたのは今から50年ほど前で、しかも食のことしか書いてない呑気な内容だから人を選ぶと思うんだけど、茉莉さんの文章、好きです。大好き。
こだわりも海原雄山みたいにうるさくなくて、「あの店のあの料理はいい」「母のあの料理は最高だった」といった、柔らかい食通なので気持ちがいい。
森茉莉さんってサザエさんみたいな方で、料理だけはできるけどそれ以外のことはまるっきりダメで、でも食のためなら炎天下の中を理想の食材を求めて何キロも歩いたり、果てには大皿に盛られたお刺身が他の人たちに全部食べられてあとで本人に抗議しにいったり、50歳を越えてなにをやってるんだっていう。でもそういうところもひっくるめて愛しかないです。最高。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
古文書返却の旅――戦後史学史の一齣 網野善彦
著者は日本中世史の学者・網野善彦。といっても、日本史学の本流である政治史ではなく、中世から近世にかけての漁民や流通に従事した名もなき人々や、寺社の清掃や牛馬を扱う人々などを研究していた、言ってみれば異 …続きを見る
クリエイターが暮らす家
家や部屋、インテリアが大好きなのでそういう本は見境なく買うんですが、これはくだらないですねえ。
載ってるクリエーターをひとりもしらないのは自分の問題なんですけど、住んでる家がみんなつまらないですねえ …続きを見る
西瓜糖の日々 リチャード・ブローティガン, 藤本和子
ここは地球かもしれないし地球ではないかも知れない。すべてが西瓜の糖でできている世界の話。ブローティガンの詩の世界の話。建物も服もすべてが西瓜糖製。
2つのコミューンが、そこに集まる人々の微妙なバ …続きを見る
ハンバーガーちゃん絵日記 ハンバーガー
超ツイ廃のハンバーガーちゃんの絵日記。
ハンバーガーちゃんの可愛さがすべて。
この表紙絵に惹かれたらそれだけで買っていい。
作者本人を美少女化して絵日記を描く、というのはルーツさんだったり矢 …続きを見る
日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」 網野善彦
中世史の学者、というよりも当時の論壇のスター的存在になっていた網野善彦の論考や講演集。いずれも1980年から90年代半ばにかけてのもので、この本は1997年に出たから、ベストセラーになった1978年の …続きを見る
図書館のプロが教える〈調べるコツ〉: 誰でも使えるレファレンス・サービス事例集 かながわレファレンス探検隊
世に数ある読書術や勉強法の本のいくつかに「調べ物をするときには読みたい資料にたどり着くための力が必要で、この本はその最適解」と書いてあったので読んでみました
読みたい本を探す方法しか載っていない …続きを見る
完全版 アンネの日記 アンネ・フランク, 深町真理子
2014年、バックパッカーをしているときにアンネ・フランクの家に行きました
そこで感銘を受け、帰国後即この本を購入
でも読書習慣がなかった当時の自分は500ページの文庫本を読むのは厳しくずっと積ん …続きを見る
Million Onion Hotel「秘蔵の開発ノート」 OnionGames
かつて「moon」という伝説のRPGを作ったUFOチームのメンバーが作った「Million Onion Hotel」というゲームアプリの開発ノート。
まぎれもなくUFOチームは天才集団で、でも寡作で …続きを見る