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2023/12/06
なぜヨーロッパ人が世界中の地域を支配できて、アジア諸国やアメリカの原住民がヨーロッパを支配するようなことは起きなかったのか、という人類史の疑問を紐解いていく本です。人類学だけでなく、社会学、地形学、言語学、農学、さまざまな観点から人類はどのように発展してきたのかを検証していきます。
すごい本だという噂は聞いていましたけれども、予想以上でした。
プロローグの時点で面白すぎて一気読み。
簡単に述べると、ユーラシア大陸は動物にも植物にも恵まれてて、それがヨーロッパ人の支配に繋がっていく、というお話。
ユーラシア大陸には小麦のような栄養価の高い植物が自生していたんだけれども、いま私たちが食べている小麦って特別変異種なんです。人間に有用な品種に変異したものが食べられている。
アーモンドとかも、原生種は毒が入っていて、それが特別変異で毒のないものかできて今も食べられている。
そういうのを読むと、新しい食べ物を産み出したくなりますね。ドングリ(オーク)って縄文時代から食べられているものですけど、いまだに農作物化はできていなくて。それはオークの成長には時間がかかりすぎるとかいろんな理由があって。じゃあ成長がめちゃくちゃ早いオーク作ってみたいな、とか、まだ食用になっていない植物も大量に育てて変異種作れないかなとか、学びがあると同時にロマンも広がる、すごくいい本でした。
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