白亜 愛☆まどんな, 山田玲司

愛☆まどんなさんと山田玲司さんの合作
原作：山田玲司　原案・漫画：愛☆まどんな
と掲載されていて、山田玲司さんがもっていたアイデアだったり、山田玲司さんが昔描いた漫画を愛☆まどんなさんがリメイクされたのかなって思ってました
巻末に本書の成り立ちなどを明かした対談が収録されていて、
この本は2人がファミレスでとにかく語りまくって、本作のストーリーができて、
それをもとに山田玲司さんがネーム制作、愛☆まどんなさんがペン入れという完全新規のできたてホヤホヤの作品でした

愛☆まどんなさん、昔やってたエロ本で連載をもっていただいていて、当時からうまいし可愛いしエロいなと思っていたんですけど、
そのときのイラストレーターとしての愛☆まどんなからさらに飛躍したところへ行った、完璧な作品でした

切なくて、エロくて、やるせなくて、愛があって……
分類するなら、80年代の森山塔とかそのあたりのセンチメンタルなエロ漫画の系譜ではあると思うんだけど、
でもなんだろうな、このバランス感
80年代のエロ漫画をいま読んだだけでは、この本の読後感にはならないと思うんですよ

それはやっぱり愛☆まどんなさんからしか生まれないストーリーと描写だからだと思うし、
ずっとロリとエロの絵を描き続けてきたから出る説得力みたいなものがあるんですよ
私でなければこのテーマで描き切ることなんてできない！　という作家としての気迫というか

その、愛☆まどんなさんの作家のサガを山田玲司さんがブレーキをかけることなく、
美しく組み立てていることで、その情熱が漫画になっても失われずに発されているのだと思います

さらに中面もキャンパス地のような紙で絵画を再現していたり、
これがあるとないとではこの本の強度がまったく違うものになっていたと思う

アーティストのとしてのジャッジが入るだけでマンガの単行本がアート作品にもなる
ずっと手元に置いておきたい