発生当時、ネットでは犯人の写真から「NEVADAたん」と呼ばれていた事件を追った本
この事件の被害者の女生徒は毎日新聞の地方局局長の娘さんで、彼の部下で日々新聞を作っていた記者が記録した激動の日々
眼の前で憔悴していく被害者一家、日々マスコミが押し寄せる加害者一家
被害者の女子ってマスコミの娘さんだったんですね
しかも毎日新聞の佐世保市局長
取材する側が取材される側にまわり、
血も涙もないような取材攻勢が続き、
家族仲もズタボロになっていく
加害者家族にも取材し、裁判にも同席し、被害者一家に誰よりも近い身にいながらその事件から目を逸らさない
加害者と被害者はネットでの関係がこじれて事件につながったというのと、
グループ交換日記をやっていて「次は誰々ちゃん!」というお決まりのフレーズを「next 誰々ちゃん!」として、
「next 誰々ちゃん!」をほかの女子も使い出したときに「nextは私のモノだ」と主張しだして、
それを被害者が「nextなんて一般的なワードを独占するのはおかしい」と咎めたことが殺人に至った
え? マジで? そんな理由で殺しちゃったの?
あまりに救いを見いだせない事実に被害者一家も加害者一家も疲弊していく
加害者家族は、加害者がいつか自分の罪を反省できるようになったら遺族に謝りにいきたい、とこの本では語っているんだけど、
個人的にこの事件のその後を追ってみると、加害者一家は引っ越してしまい、
事件直後は毎月手紙が届いていたものの、いまは手紙も届かなくなったという
世の中の大抵の殺人事件には加害者の家族と被害者の家族がいて、
事件のその後の生活をいろいろ考えてしまったよ
秋葉原の加藤智大も毒親のお母さんが泣き叫んでいたなあとか、安倍晋三を撃った山上のお母さんは統一教会に駆け込んだなあとか、
事件って点じゃなくて線で面だなあと当たり前だけど知るよしもなかったことを知りました