コロナ禍の日々を切り取った、今日マチ子さんの作品集の第3弾。
2022年から2023年の4月まで。
2023年6月現在、コロナはまだ日常に残っていますね。
街中では、マスクをつけている人6割、つけていない人4割くらいですね。
私も電車やエレベーターなど、密室ではマスクをいまだにつけています。
屋外では外すようになりました。
緊急事態宣言の発令された2020年5月は外に誰もいませんでした。
外でひとりで歩いているときですら、マスクを外すことを憚れる時期でした。
そこからグラデーションのように、感染者数が増えたり減ったり、楽観ムードになったり、絶望的なムードになったり……。そのグラデーションはいまでも続いています。
人は忘れる能力がある生き物です。
あのつらかった日々もところどころすでに忘れている自分がいます。
東京でオリンピックがあったことだって、ほとんどの人が思い出すことすらないのではないでしょうか。
だからこういうコロナ禍での何気ない日や、空気感のグラデーションを描き留めていただいてありがとうございます。
この時期に増えたんだな、この時期に減ったんだな、という空気感は、ずっと記録している人でないと出せないものです。
最後に、今日マチ子さんが東日本大震災の被災地を訪れられていて。
私も2011年の9月に女川と石巻を訪れていて。
あの時のあの光景を鮮烈に思い出して。
今日マチ子さんのイラストを見るまではあの光景をすっかり忘れていて。
阪神大震災でも「忘れてはならない」という当事者もいれば「忘れたほうがいい」という当事者もいて。
それぞれにそれぞれの正義があって。
だからコロナウイルスから発信されるそれぞれの正義もすでに生まれているはずで。
でもみんな忘れてもいい。この本を読めばすぐに思い出すから。