プレミア本が好きです。本書、5000円します。
『千年女優への道』というタイトルにある通り『千年女優』について書かれているのかな、と思って作品視聴。本の目次を見ると『パーフェクトブルー戦記』という項があり『パーフェクトブルー』も見た上でこの本に臨みました。
『千年女優への道』というタイトルなのにほぼ『パーフェクトブルー』製作記でした。いかにマッドハウスの無能制作がヤバいやつだったか、という愚痴が150ページ。
この本は今敏さんのホームページに書かれたものを書籍化したもので、この『パーフェクトブルー戦記』の文章が話題になり書籍化となったらしい。
確かにマッドハウスの無能制作のヤバさが伝わってくる。締め切りのある仕事を破る背徳感が蘇ってくる。アニメ制作の修羅場がどのくらいヤバいかがありありとわかる。メンタルにくる。こんなコロナ禍と戦争で気分が落ち込んでいるときに読むべきものではない。
修羅場のヤバさはめちゃくちゃ伝わってきたけど、でもあんまり面白くなかったなあー。
Webに適している文章と、紙に適している文章は違う。
Webの文章をそのまま紙に持ってくるのは最適ではない。紙の文章をそのままWebに持ってくるのも最適ではない。
でもWebの文章を紙向けに書き直すのは、ゼロから文章を作るのと同じくらいカロリーが必要だから難しいんだけどね。
今さん本人も最初から書籍化を目指していたらもっと紙に耐えうる文章にしていただろうし。
プレミア本だからって面白いわけではないんだな、と思いました。