森鴎外の娘で50歳を越えてから作家になった森茉莉さんの食エッセイ。食いしん坊で料理上手の茉莉さんの食へのこだわりがふんだんに詰まった一冊。
この本というか森茉莉さんの書かれる文章が好みすぎて全エッセイ購入しました。この本が書かれたのは今から50年ほど前で、しかも食のことしか書いてない呑気な内容だから人を選ぶと思うんだけど、茉莉さんの文章、好きです。大好き。
こだわりも海原雄山みたいにうるさくなくて、「あの店のあの料理はいい」「母のあの料理は最高だった」といった、柔らかい食通なので気持ちがいい。
森茉莉さんってサザエさんみたいな方で、料理だけはできるけどそれ以外のことはまるっきりダメで、でも食のためなら炎天下の中を理想の食材を求めて何キロも歩いたり、果てには大皿に盛られたお刺身が他の人たちに全部食べられてあとで本人に抗議しにいったり、50歳を越えてなにをやってるんだっていう。でもそういうところもひっくるめて愛しかないです。最高。
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