2021年、スイーツといえばこのお方。ぼる塾田辺さんのスイーツ紹介本です。
田辺さんの紹介するスイーツは間違いなし。ちゃんと自ら食べ歩き、スイーツにお金を惜しまない姿勢には信頼しかありません。
そんな田辺さんの紹介するスイーツまとめ本なんて間違いないわけで……と思いながら読んだんですが、実用的でなさすぎてびっくりしました。
まずお店がどこにあるかわからない。
スイーツは商品名と販売店名が大きく商品の上に配置されているのですが、
豆大福
寿屋
くらいの情報しかないわけです。
寿屋って言われてもどこにあるかわからないし……。
そしたら下の方に小さく「愛知県名古屋市」とか書かれているわけです。
豆大福なら一般的な商品だから「豆大福なのね」とすぐわかるのですが、
ショコラ・デュ・なんとか
シャルロッテなんとか
みたいなどっちもオシャレネームだと「どっちが商品名なんですか!?」となります。
世界の終わり/幻の命 どっちがアーティスト名なんですか! みたいな。
こういうカタログ系の本って、情報のわかりやすさが命だと思うんです。
・どこにあるか
・いくらくらいなのか
・どのくらいの量があるのか
・お店は何時から何時までやっていて、定休日はいつなのか
といった基本情報がわかりやすくあって、その横に田辺さんのスイーツ愛溢れる一言メモがあるくらいでいいんです。
主役は田辺さんではなくてスイーツであるべきなんです。
田辺さんが主の本を作りたいのなら、タレントブックみたいなものを作ればいいんです。
そして最大の問題点は、スイーツの写真が全然よくないんですよね……。
色紙を敷いて、その上にスイーツを置いているんですけど、
全然商品が想像できないし、色紙に直にスイーツを置いているせいで不潔だし、スイーツに変なフィルターがかかってしまうんです。
こういうのはテーブルにお皿があって、その上にスイーツを置くべきなんです。
それか、すべて真っ白の背景にしてしまうとか。
こういうカタログ本って、ラーメン本とかお取り寄せグルメ本とか、レイアウトの参考にすべき書籍が山ほどあるのに、それらすべてを下回っているのがダメ。
ラーメン本を一冊でも読んでいればこんな本にはならなかった。編集者の努力不足。
そういった、基本レイアウトの上でいかに田辺さんとスイーツのよさを引き出すのかが編集者の仕事なんです。
しかも田辺さんのスイーツ本なんて数多くの出版社からオファーがあったと思うんです。
田辺さん×スイーツなんてホームレス中学生並みの鉄板企画ですよ。
それら他社を落として掴んだ、外しようのないテーマを、こんな駄本にしあげたことがもう最悪。
こんな本になってしまって田辺さんもスイーツ業界も落とされた他社も浮かばれない。
企画返納して、もっといい編集者に作りなおしてもらってほしいものです。