REVIEW

最果ての街

冒険小説、探偵小説を得意とする西村健が、東日本最大のドヤ街、山谷を舞台に描いた作品。ドヤ街、山谷とは日雇い労働者の街で、ホームレスも多い。その中で1人のホームレスが惨殺されてしまい、ハローワークの山谷 …続きを見る

冷酷 座間9人殺害事件

ノンフィクションライターによる、大量殺人事件の犯人との面会と裁判ルポ。面会はある日唐突に終わってしまったし、裁判の傍聴は高倍率だったため実際はほとんどできてなかったと著者は書いているが、十分に考えさせ …続きを見る

北のまほろば―街道をゆく〈41〉

1996年に亡くなった司馬の、94年の冬と夏の旅をまとめたもので、最晩年のエッセイになる。街道をゆくはこの後、三浦半島記と絶筆となった濃尾参州記のみで、一連のシリーズの中でもかなりの厚みがあり、それだ …続きを見る

古文書返却の旅――戦後史学史の一齣

著者は日本中世史の学者・網野善彦。といっても、日本史学の本流である政治史ではなく、中世から近世にかけての漁民や流通に従事した名もなき人々や、寺社の清掃や牛馬を扱う人々などを研究していた、言ってみれば異 …続きを見る

土に贖う

北海道を舞台にした産業の盛衰、人々の来歴を描いた連作短編。淡々とした筆致だが、作者が実によく北海道の産業を調べていることがわかる。北海道の大きな産業といえば炭鉱や漁業、農業などだが、作者がテーマとした …続きを見る

あん

映画化もされているベストセラーだが、つい最近まで内容を知らなかった。レンタル店にDVDが置いてあったのを何度も見たが、どうせ大したことのない邦画だろうと、なめてかかっていたのだ。だが中身を少し調べ、驚 …続きを見る

韃靼疾風録〈上〉〈下〉

司馬遼太郎の作品は小説に限っても多くあるが、そのほとんどが1960年から1980年代の、わずか20数年に書かれている。その最後の小説が『韃靼疾風録』だ。以降、司馬は小説は書かなくなり、随筆か紀行文のみ …続きを見る

熱源

直木賞受賞作ということで読んでみたが、全体的に読みづらい文章だった。ところどころで偏見や差別、時代の荒波といった逆境を乗り越えようとする登場人物の熱のこもった描写も出てくるのだが、文献史料を丹念に調べ …続きを見る

星の子

カルトという言葉は一度も出てこないが、カルト宗教にはまってしまった家族を題材としている。なぜ出てこないかというと、中学生に成長していく主人公・ちひろがそう認識していないからだ。 叔父がちひろの両 …続きを見る

蒼井優写真集 「ダンデライオン」 ,

蒼井優さんと高橋ヨーコさんの写真集「トラベルサンド」があまりにも素晴らしかったので第二段のこちらを購入。前作の舞台はアメリカで、こちらはロシアなんだけど、ロシアの風景ってつまらないですね。ずーっと雪で …続きを見る

センネン画報 +10 years

すごく好みです。チャットモンチー「サラバ青春」みたいな世界。青春には終わりがあることを知っているからこそ、学生たちのなんでもない日常が輝いて見えるのは大人の特権だと思う。なんでもない日常なのに胸が痛ん …続きを見る

ぽてんしゃる。

糸井重里のちいさいことばシリーズ。今作は写真日記多め。糸井重里さんのお父さん的存在の吉岡隆明さんが亡くなった年の本です。 写真日記には糸井さんの飼い犬のブイヨンが出てくるんですけど、こうも閉塞的な毎 …続きを見る
BY: takahashikazuna

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