先日読んだ『占領と性』にめちゃくちゃ打ちのめされまして
あの本は「研究の半ば」ということを書かれていて、その後の研究はどうなったんだろうと『占領と性』を書かれた恵泉女学園大学平和文化研究所を調べても情報が見つからず、メンバーの中には亡くなられている方もいらっしゃって、
そんな中、『占領と性』の著者のひとりである平井さんが本を出されていたので読んでみました
めちゃくちゃ研究が進んでいる!!
パンパンをされていたご本人の証言や、パンパンに部屋を貸していた人、パンパンがいることが当たり前だった熱海の人々の証言など、
フィールドワークをもとにした新たな発見が続々と!
さらには公文書のなかにRAA(米軍向けの慰安所)設置の令を発見されていたり(RAAの設置に関しては記録が残らないよう基本口伝だった)、
歴史に埋もれかけていた占領下の女性たちのナマの声をタイムリミットギリギリで訊き出すことに成功していました
さらには、敗戦後の満州国でも襲い来るソ連軍から逃れるために、ソ連軍の性のはけ口として女性を生贄のように差し出していたことがわかったり、
その際に日本人同士でなされていた会話、生贄に選ばれた女性の反応、
うぶな女性が連れ去られそうになったとき、水商売の女性が代わりに生贄になってくれたこと
表の戦争史には残っていない、戦争のリアル
しかも占領軍から性の防波堤として日本を守ってもらった慰安婦(パンパン)に対しても多くの日本人は労ることもせず、
浮浪者みたいな扱いをして、パンパンなんて蔑称で呼んで、しかもその事実すら負の歴史として葬ろうとしている
それとは別軸で、当時の性差にも触れていて
満州で敗戦を迎えた人たちの中には集団自決を選んだ部落もあって、
でも集団自決を決めたのは部落の男衆で、そこには女性や子どもの意見はなくて
満州国では自分たちの手による殺人件数がめちゃくちゃ高い、というのも驚きでした
若者の死因の第1位は自殺だと知ったときのような衝撃
終戦から80年
戦争を知る人も、戦後を知る人も残りわずか
占領下のリアルについてもまだわからないことばかり
どこに寄付なり支援なりしたらいいのかわからないけれど、恵泉女学園大学平和文化研究所の方々や平井和子さんを心から応援しています