ギャラリーってみんな行きますか?
個人のイラストレーターさんだったりアーティストが個展を行うような、30平米くらいの小さな空間
ギャラリーってどこも真っ白な空間で、絵は大きさごとに均一価格で、値段はわかりにくい場所に小さく書いてあり、絵が売れたら色付きの小さいシールを値札のところに貼る、あのギャラリー。
この形式のギャラリーはアメリカでもヨーロッパでも同じだそうです
本書はオランダの研究を元にした書籍で、オランダでの構造が日本でもそのまま当てはまるので読んでいて違和感がない
ギャラリーでの絵の値段はどのように決められるのか、にとことん迫った本です
たとえばオークションでは数十億円で売れる作家でも、ギャラリーでは遥かに安価な値付けをされています
また、ギャラリーでは、出来の良し悪しにかかわらずキャンバスのサイズで統一の値段がつけられ、作品が完売して世間での人気が急激に高まっても、次回の個展で売られる絵の価格にはそれほど反映されない
こういった、アート特有の値段の付け方にはどういった理由があるのか、どういったメリットがあるのか、を紐解いてゆきます
値段を急激に上げないのは、人気がなくなり値段を下げざるを得ない事態になったときの影響が大きすぎること、キャンバスサイズで値段が一緒なのは、二流の作品を売っていないことの表明など、なるほどなあと思うことばかり
また、ギャラリーは適正価格で絵を売ることに誇りを持っているにもかかわらず、自身のプライベートコレクションを自慢するときには値段や評価を軸に話す
アートという特殊な業界には、一見市場原理が働いていないような値付けが行われているけれど、それは過去の教訓をもとにした適正価格がつけられているんですね、というお話