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2023/12/28
ブローティガンのデビュー作。日本では『アメリカの鱒釣り』のほうが先に翻訳されたが、アメリカではこちらのほうが先に出版された。
ブローティガンの著作の中で2番目に長く、もっとも小説らしい小説とのこと。
『ビッグ・サーの南軍将軍』を『アメリカの鱒釣り』に置き換えてもなんの違和感もなく成立する。
なんかそれだけで、ブローティガンって一種類の幻想しか使えないのかなあと思ってしまった。
幻想作家ブローティガンの幻想が剥がれたというか、こんなもんだったのかというか……。
本国アメリカではもう忘れられた作家として扱われているそうだけど、この幻想が破れたことが忘れられた原因ではないかと思う。
小説としては……うーん……。若いね。まだファイアしか使えない。ファイラやファイガはまだ使えない。
読者を幻想に包む方法もぜんぜん若い。だからうーん…ってなってしまうんだな。
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