香山哲さんの『ベルリンうわの空』を読んでいたところ、日本人がドイツの生活を綴った本としてこの『ラインの河辺』を挙げていたので読んでみることにしました。
最初のテーマが窓で、ドイツの窓は最高! 日本の窓はアルミサッシで断熱性能が最低でサイズも選べないし最悪! というもの。
読んだことないけど、ヘイト本ってこんな感じなのかなあ。
でもこの本が書かれたのは1973年で、この当時にアルミサッシを非難しているのはさすが。
日本でもようやくアルミサッシが非難されるようになったのってここ数年のことだし。
日本非難はこの本を通してずーっと出てくるんだけど、非難度合いのピークは冒頭の『窓』で、だんだん穏やかになっていきます。
しかもアルミサッシのように、非難されて当然のものを非難しているのだから頷くほかない。
そして1973年に犬養道子さんが憂いていたことが2023年現在にようやく解消されつつあることばかりで、先見の明がすごいなと思いました。
1973年にはドイツに食洗機がどの家庭にもあって、1日ほったらかした油汚れが簡単に落ちる洗剤があって、上部なお皿と薄いワイングラスを一緒に入れても割れない性能のものがある、という記述に驚く。
今の日本の最高峰の食洗機だって1日置いた油汚れが完全に落ちるものなんてない。
これはドイツと日本で電圧が大きく違うから成せる技なんだけど、2023年になっても東日本と西日本で周波数が異なる問題すら解決できてないんだから嘆きたくもなる。
日本とはなにか、ということを考えさせられるいい本です。