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浅野いにおさんの2018年から2019年にかけての日記。自動車免許を取り、家を買い、鳥飼茜さんと結婚した年。
浅野いにおさんって本当に空虚なひとなんだなと思った。人間不適合者。親から愛情を注がれなかった人間はその反動でめちゃくちゃ愛を求めてしまうか、浅野いにおさんのように愛が欠損していることが当たり前の人間になってしまうんだなと思った。
だから浅野さんの漫画には嘘がないんだな、とも思った。
浅野いにお作品を一言で言うと「空虚」だと思う。
あれは空虚を描こうとしてるのではなくて、浅野いにおから生まれるものを描いているだけたったんだな。
結婚や家の購入といったトピックはあるものの、それを粒立てるでもなく淡々と日常が綴られていて、それが今の自分の波長とすごく合って一気に読んでしまった。
人に読まれること、人に評価されることを一切気に掛けていない文体がいい。
noteやブログ、Twitterに「ひとに評価されたい文章」が溢れ返っているいま、浅野さんの無機質な文章が気持ちよかった。
人に評価されることを一切気に掛けていない文章だから、たぶんおおよその人にはつまらない本になると思う。
ものすごくどうでもいいことばかり書いていて、浅野いにおファンじゃないなら読む必然性もない。でも浅野いにお作品のフックにちょっとでも引っ掛かっているならすごく府に落ちる本だと思う。あの漫画が生まれるわけだわあって。