神童と呼ばれながらもプロ棋士への狭い関門を潜り抜けることができず夢破れた青年たちのその後の物語。
将棋のプロの関門は狭い。プロになれるのは一年に二人だけ。その二つの椅子を、160人以上の子供たちが争う。
子供の頃から将棋しかせず、将棋にすべてを懸け、それでもプロになれず去っていくもののほうが圧倒的に多い世界。
彼らは将棋しか知らない。一般の社会常識も、お金の稼ぎ方も、生活のすべもなにも知らない状態で将棋以外で生きていく方法を探していかなくてはならないのだ。
もちろん、大抵はうまくいかない。悲惨な人生を送るものがほとんどだ。中にはタコ部屋で暮らしているものも出てくる。かつて神童と呼ばれたころの輝きはもうない。
近頃、スポーツ選手のセカンドキャリアを考えることが多い。
一年ほど前に、『ザ・ノンフィクション』で万引きがやめられない元オリンピック選手が特集されていた。オリンピック選手ですら、その後の生活に困るくらいだ。
サッカーのJ3の選手や独立リーグの野球選手はもっとひどい。
そんなスポーツ選手や棋士といったなんらかの人々のセカンドキャリアを支援できるサービスを作れないかと考えたりしている。
プロになれなくても、彼らは一般人より圧倒的に将棋やサッカーや野球が上手い。それは、何かに秀でているものがあるということだ。別に普通の社会人をやって生きていく必要はないのだ。
そんな、今の自分のマインドと重なりまくり、ぶっ刺さってしまった。