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2021/02/25
北海道を舞台にした産業の盛衰、人々の来歴を描いた連作短編。淡々とした筆致だが、作者が実によく北海道の産業を調べていることがわかる。北海道の大きな産業といえば炭鉱や漁業、農業などだが、作者がテーマとしたものは、表題作のレンガ作りや養蚕業、毛皮のためのミンク繁殖業、馬蹄の装鉄屋など、かつてわずかに興り、今はほとんど残っていない産業ばかりだ。
表題の「贖(あがな)う」とは、買い求めるといった意味ではなく、罪のつぐないを意味している。札幌は道庁舎やホテル、ショッピングモールなどにも赤レンガがふんだんに使われているが、それらを最初に作り始めた移民は、どんな生き方をしてきたのだろうか。機械化される前の開拓農家や、動物の毛皮販売を生業としている人たち、その子孫たちは今どこで、何をして暮らしているのだろうか。産業と、それに携わった人たちの生き死にを感じさせる作品だった。
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