アートの価値はどのように決まっていくか、という特集を本まるまる一冊
まったく知らないことばかりで勉強になった
アメリカでは、アートを美術館に寄贈すると、その金額分相続税がまるまる控除になる
日本にはそんな仕組みがないから、持ち主が死ぬとアートが散逸される
また、日本は自治体が美術館を運営しているから、職員も非正規ばかりで、作品を購入するためのお金もなく、日本にはアート市場すらほぼ存在していない状況
アートの投資ファンドもあるけど、作家の価値が高まっていくのは超長期スパンなので、一般的な投資ファンドの運用年数では利益が出ていない
ではこの先日本でアートのマーケットを作るにはどうしたらいい? という内容
アートを買うということは、その作品をお借りして、その期間自分の手元に置くということ
アートとの時間を過ごすということ
どこかのタイミングで売ってもいいし、相続してもいいし、寄贈してもいい
めちゃくちゃ志が高いですね
すごくいい本だ
僕も一点もののアート作品をいくつか持っているんだけど、その作品の背景をもっと深く知りたいなと思いました
アートは値上がり価値を待つものではなく、まずはその作品を愛するもの
作品のことを好きになって、買うかどうか検討するもの
自分の手元にあるものは、好きな作家さんが作ったものという理由で購入したものばかりで、作者がどういう思いを込めたものなのかまでは知らない
だから作品をもっと愛するために、作者さんとお話して、作品のことを深く知りたいなと思いました
以前の美術手帖は目玉特集が本の半分くらいだったんだけど、近年の美術手帖は本ほぼまるまる一冊目玉特集で、ずーっとアートの価値の内容をしているのが最高でした