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2024/04/02
13歳で精神病院に入院した道草晴子さんの24年間の全記録
僕は最初の『みちくさ日記』はぶっ刺さったんだけど、続刊の『よりみち日記』は『みちくさ日記』ほどじゃないなあ、という感想でした
それは魂で本を書く人の宿命というか、エッセイ作家の宿命というか、インプットの量とアウトプットの量が直結しているので、最初の本にはこれまでの人生のすべてが出力された中身の濃い作品になる
この『完本 みちくさ日記』はもともと他社で出る予定だった『よりみち日記2』の企画が通らず、合本としてリイド社で出ることになりました
あらためて『よりみち日記』と『よりみち日記2』に当たる部分を読んだんだけど、やはり濃度が薄いですね……
『みちくさ日記』は20年間の人生の凝縮で、『よりみち日記』と『よりみち日記2』は2年間の凝縮だから
道草晴子さんも、同じところでずっと足踏みしていてもどかしい
だからこそ『みちくさ日記』の放つ輝きが際立ち、道草晴子という人物の美しさをたたえている、と思いました
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