前作『結ぼれ』は主に2人の会話から成っている作品でしたが、本作はモノローグ、ダイアローグ、そして詩から成っています。
その詩の訳が韻を踏みまくっているので、元の本も韻を踏みまくった詩になっているんでしょう。
原文を読みたい。
元題の『do you love me?』を『好き?好き?大好き?』と訳したのは発明ですよね。
『結ぼれ』は言語化しにくいふわっとした心理を描いた作品だったけど、『好き?好き?大好き?』は言葉の曖昧さ、言葉の脆さ、言葉から伝わる情報の多さを描いています。
いくら『好き好き大好き』って口で言うだけなら誰にだってできるし。不倫してても浮気してても言えるし。でも言い方ひとつで「こいつ本心で言ってないな」ってわかるし。
だからこの本は登場人物がどんな本心でセリフを言っているのか、という軽いミステリーみたいな構成になっているんですね。
にゃるらさんが『needy girl overdose』でこの本を参考にしたっていうエピソードも、vtuberが配信でリスナーにいくら『好き好き大好き』って言っても金のためってことを皮肉った部分もあるんだろうなあとか、そういうことを思いました。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
Casa BRUTUS特別編集 音のいい部屋 Casa BRUTUS
音のいい部屋、というタイトルですが、
有名人がレコードプレーヤーを置いている部屋の写真集といったほうが近いです
とにかく音に拘りまくったオーディオルームの写真集というわけでもなく、リビングにぽ …続きを見る
日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」 網野善彦
中世史の学者、というよりも当時の論壇のスター的存在になっていた網野善彦の論考や講演集。いずれも1980年から90年代半ばにかけてのもので、この本は1997年に出たから、ベストセラーになった1978年の …続きを見る
anna magazine Vol.4 anna magazine
みんな大好きアンナマガジンです。この号は2014年に発売されたこともあって、今のアンナマガジンのカラーとは全然違いますね。昔のPOPEYEっぽい。フォトジェニックな写真を撮ろうとしている。フォトジェニ …続きを見る
センネン画報 その2 今日マチ子
『センネン画報』大好きです。切なくて詩的で……読む青春です。
『センネン画報 +10 years』が、センネン画報1と2を合体させたものだと思っていたのですが、
『センネン画報 +10 years …続きを見る
編集とは何か。 奥野武範(ほぼ日刊イトイ新聞)
ほぼ日での編集者インタビューの連載をまとめたもの。
8名の敏腕編集者に、編集という仕事とはどういうものかを訊いています
この本を見てまず思ったのが、文体がほぼ日だな、ということ
ほぼ日のやわ …続きを見る