現在も長期休載中のバガボンドがなぜ休載しているのかを二年にわたり井上雄彦先生に訊いたインタビュー本。
期間は2010年から2012年のおよそ二年半。多いときには2ヶ月に一回のペースでインタビューしてます。
この本を読めば、なぜバガボンドは休載しているのか、結構早い段階でわかります。
でも2ヶ月に一回のペースでインタビューしているもんだから、訊くことがほぼ同じで回答もほぼ同じなんですよね。
毎回「バガボンドはいつ再開するんですか?」って訊いて「描きたくなったら描く」の繰り返し。
さらには井上先生がかつて言った言葉をインタビュアーが自分の言葉にすることもあったりして。
ファンはインタビューしちゃダメですね。一回きりならいいけど、何回も「バガボンドいつ再開するんですか?」「いつ再開するんですか?」って訊いてちゃダメだ。
あと二年半に8回もインタビューしちゃダメだ。二年半で人間が変わる部分なんてせいぜいだから、答えるほうも変わりようがないんだな。
未完の大作って今昔いろいろあるけれど、やっぱりみんな描けなかったんだと思う。
読者としては「なんでプロット残して置かなかったんだ!」とか思ったりするけれど、そのプロットすらなかったんだな。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
殺さない彼と死なない彼女 世紀末
もともとはツイッターで話題になった漫画。それを単行本のために全部リライトして、大幅に加筆して『作品』として形にしたのがこの本です。
ツイッターで流れてくるマンガの一部や、この本のタイトルや表紙の雰囲 …続きを見る
日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」 網野善彦
中世史の学者、というよりも当時の論壇のスター的存在になっていた網野善彦の論考や講演集。いずれも1980年から90年代半ばにかけてのもので、この本は1997年に出たから、ベストセラーになった1978年の …続きを見る
POPEYE特別編集 部屋とシティボーイ2 POPEYE
部屋の本が好きです。古くは都築響一さんの『TOKYO STYLE』や『賃貸宇宙』から川本史織さんの『女子部屋』まで。部屋の本はだいたい買っちゃう。
それと最近、家を建てたい欲が強くて。ドアノブひとつ …続きを見る
[re futurhythm] 村田蓮爾
村田蓮爾2冊目の画集『futurhythm』の新装丁版。
読みながら、GANTZスーツって村田蓮爾さんの影響受けてるんじゃないかなあと思いました。
めちゃめちゃ分厚くていい紙を使っていて、それ …続きを見る