/
2023/12/28
ブローティガンが『アメリカの鱒釣り』の13年後に書き上げた小説。
これまで読んできたどのブローティガン作品よりも小説としての色合いが強い。
一般の作家ならこれは普通の小説だけど、ブローティガンにとっては実験的な小説。
ホークライン家の地下にある氷の洞窟に住む怪物を殺すために2人の殺し屋が雇われて…という話。
ブローティガンの文章は詩的な表現で読むものの心を「なんかいいな」という風にさせる天才だと思うのですが、今作のようにストーリー性が強いものだと詩的な表現もほぼ出ないし、小説としての面白さでしか勝負できなくなったしまうな、そして小説としてあまり面白くないからブローティガン幻想がちょっと薄れてしまったな、と思いました。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
中村佑介 PLAY CDジャケット全集2002-2021 中村佑介
中村佑介さんの手がけたCDジャケットイラストだけをまとめた本
『Blue』や『NOW』と同じイラストが多数掲載されていたり、
『Blue』や『NOW』には掲載されているのに本書には掲載のないものも …続きを見る
北欧神話と伝説 ヴィルヘルム・グレンベック, 山室静
タイトルの通り、北欧神話と伝説を現地の研究者がまとめた本
どのエピソードも4ページくらいで終わり、めでたしめでたしとつくような内容で気軽に読める
主に口伝で残っている数々の伝説がまとめられています …続きを見る
阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし 阿佐ヶ谷姉妹
6畳1Kにコンビで二人暮らししている阿佐ヶ谷姉妹のエッセイ。ミホさん、エリコさんのエッセイが交互に掲載されています。だからミホさんのエッセイがエリコさんのエッセイに対するアンサーになっていたり、エリコ …続きを見る
永い季節 しまざきジョゼ作品集 しまざきジョゼ
しまざきジョゼさんの画集です。しまざきジョゼさんの絵は、人物が風景のひとつだからいい。あざとさがまったくないイラストが大衆から支持を得ているというだけでしまざきジョゼさんがいかにすごい人かと思う。
…続きを見る
高田馬場アンダーグラウンド 本橋信宏
鶯谷、渋谷円山町、上野、新橋など山手線の各駅前を「異界」としてとらえ、取材してきた本橋が5番目に選んだ街は、高田馬場だった。所沢で生まれた本橋の父親は、戦後間もない頃に早稲田工業高校を卒業し、西武鉄道 …続きを見る
日本の乗用車図鑑 1975-1985 自動車史料保存委員会
またも全写真モノクロ
1975年、普通にカラー写真あったでしょ……
しかも写真のセレクトが同じくひどくて、リヤだけの写真になんの意味があるのさ……
写真をカラーにするだけで一気に商品価値が上がる …続きを見る