これまで一度もハリー・ポッターシリーズを読んだことも、映画を見たこともありません。でもUSJのハリー・ポッターエリアには行ってみたいなあと思って読んでみることにしました。USJを楽しむためには映画だけ見れば充分なんでしょうけど、世界的大ベストセラーだし本も読もうと思ったのでした。
めちゃくちゃ面白いですね。人にはそれぞれ理想の魔法使いがいると思うんですが、スレイヤーズのリナ・インバースが理想の魔法使いの人もいれば、魔女の宅急便のキキが理想の魔法使いの人もいて。この作品の魔法使いは(当たり前だけど)日本人的な理想の魔法使い像や世界観ではない。使える魔法にもあまり憧れない。現実離れしすぎていない。(例えば時を止める魔法、人を即死させる魔法、億万長者になる魔法がない)
世界観も理想論ではない。世界が美しすぎない。だから面白い。だからUSJのハリー・ポッターエリアも現実世界に自然に溶け込めるんだろうな。あと本場イギリスの魔法使い像が見れるというか。
魔女の宅急便のキキはクディッチに参加したりしない。
イギリスではハリー・ポッターの世界は理想の魔法使い像として受け入れられたのだろうか。
ドラえもんは日本人にとって理想のロボット像としてなんの違和感もなく受け入れられている気がする。それに近いものなのだろうか。
どんでん返しがあったり、裏切りがあったり、ストーリーがどんどん児童書の範疇を越えていく。
衝撃的なくらい面白かったなあ。翻訳本に苦手意識があったんだよな。当時、『IT(それ)と呼ばれた子』という海外の本が流行っていて、それの翻訳がひどくて、翻訳者の書く文章は読む価値がないって刷り込まれたんだよなあ。これを先に読んでいればその後の読書体験も大きく変わったんだろうなあ。「いい本に会うためには悪書も読まなくてはならない」みたいな風潮があるけど、機会損失になるくらいなら悪書なんて読まないほうがいい。ハリポタを読め。