どうも回収本コレクターです。
古塔つみさんのトレパク騒動が大きくなってきて、これ回収あるなあと思ってメルカリで買いました。サイン本を。
A5版240ページに絵が詰まりまくってて楽しいです。良書。回収がもったいないくらい。
こないだ渋谷に行ったときに古塔つみさんのパネル展がやってたんです。後だしみたいで申し訳ないんだけど、なんにも刺さらなくて。絵の方向性が違うというか、エネルギーがバラバラの方を向いていた気がしてピンとこなかったんですよね。だからパネル展に行ったことすらツイートしなかったんだけど、自分の感性、信頼できるわあと思いました。
というクソイキリツイートをしてすぐ削除しました。トレース自体は別に悪ではないし。トレース台という商品があるくらいだし。この人はトレースになにかを乗っけてはいるし。
この本だけを読んでもトレースしてることはわかりません。トレースもとが載ってないんだし。だから画集としてはいろんな絵が載っていてとても楽しい。でも絵の幅がありすぎて、これ同じ人が描いてるわけないだろ! とは思う。違和感は絶対に覚える。
絵画もあるしイラストもあるしリアルもデフォルメもあるし、90年代、00年代、10年代、20年代もある。でもタッチが違うというよりはそれぞれの絵のバックグラウンドが違うように思える。Photoshopのフィルターを使い回しているようにも思える。
大暮偉人ですら2タッチしか極められないのに10数種類のタッチを極めるなんてあり得ない。「天才」より「存在するはずがない」が勝る。たぶん絵の仕事してる人は「絶対やってるわ」って確信あったんだろうなー。
イラストレーターさんって、自分の中に黄金比みたいなものがあると思うんです。
目と目の間はこれくらいで、鼻の位置はこれくらいで、鼻の高さはこれくらいで、配色や構図はこうで…みたいな。その黄金比がバラバラだから同じ人が描いたように思えなかったんですよねー。トレース騒動を知って、元の顔が違うんだからそうなるんだとわかるんですけど。
でもトレースといえども10数種類のタッチはマスターしていたわけで。この本はいいですよ。SNSとテクノロジーが産み出したモンスターみたいで。