/
2023/02/22
西尾維新読者は西尾維新を信用していない。
それはつまらないとかそういう意味ではなく、主人公が抱いている感情や、登場人物たちの発言や、繰り広げられている舞台そのものが嘘である、という意味で。
だから双子が出てくれば本当に双子なのか、三つ子じゃないのか、まったくの他人のコスプレじゃないのか、ひとりが分身しているんじゃないかと疑い、顔が見えない人物がいればそもそも顔があるのかを疑う。
やはりそれは、クビシメロマンチストという特大爆弾を喰らってしまったから。
西尾維新の文章は素晴らしいですね。
最初から最後までずーっと楽しかったです。
過去作へのオマージュや愛に溢れ、ミステリー小説へのリスペクトもあり、戯言シリーズの新刊という期待に満ち満ちた作品の続きを見事に描きました。
クビシメロマンチストを喰らっていなければ疑って読むようなマネはしなかったし、純粋な気持ちで読めたことでしょう。
でもクビシメロマンチストを喰らったからこそ、今も西尾維新を追い続けている。
オーイェーアハン。
戯言シリーズの続きというだけで勢いで100点をつけそうになりましたが、クビシメロマンチストには及ばないので90点とさせてください。
西尾維新さんはバトルではなく、ミステリーをこのままあと数作ほど、気分が乗る限りでいいので続けていただけましたら幸いです。
こちらからは以上です。
アドセンス336×280レクタングル(大)
関連記事
ひろなかのなか 弘中綾香プライベートフォトブック 弘中綾香
テレ朝弘中アナのフォトブックというか写真集です。写真集にインタビューが6ページほどついているので「フォトブック」としたと思うんですけど、世にあるフォトブックのほとんどは駄作なのでストレートに「写真集」 …続きを見る
Casa BRUTUS特別編集 猫と家。 Casa BRUTUS
建築段階からキャットウォークやペットドアなどを組み込み、猫が自然と楽しめる家を作った人たちの施工事例集
それをCasa Brutusのセンスのいい誌面で見せる
最高です
こんな本、ほかにあるのか …続きを見る
SDガンダム30周年大全集 サンライズ
タイトルの通り、SDガンダムの歴史をまとめた本です。Amazonの評価がめっちゃ低いですね。広く浅くまとめている本なのでまあ賛否あるだろうなあとは思うんですけど、でも個人的には、まったく知らなかった商 …続きを見る
鳥の神殿 リチャード・ブローティガン, 藤本和子
あとで感想を書こうと思っていたら2週間経ってしまい内容もほぼ忘れてしまいました
『ソンブレロ落下す』とまったく同じ構成の本でした
ソンブレロをボーリングのトロフィーに、アメリカ人男性と日本人女 …続きを見る
俺と師匠とブルーボーイとストリッパー 桜木紫乃
桜木ワールド全開のエンタメ小説だ。カルーセル麻紀の青春時代を描いた「緋の河」、怪我によってステージから降りたストリッパーがショーパブ経営を経て復活する「裸の華」など、夜の歓楽街を舞台に数々の作品を出し …続きを見る