富山で行われた環日本海文化圏のシンポジウムで、まず3回行われた基本的なテーマから発展し、食、住、衣と3回、合計で6回行われたシンポジウムのうちの4回目、食文化を中心に行われた講演集。1981年からまず3回行われ、この食のシンポジウムは1986年に開催されている。10人の登壇者は、一流の研究者ばかりだ。
中国の食物史として、陳舜臣がまず中国では今と同様に料理人の地位が高かったこと、庶民の食べ物は、節句のご馳走がだんだんと豪華になっていったことや、月餅など特色ある季節の料理も生まれていったことを明らかにしている。儒教の国らしく羊の肉には黍を、牛肉にはお米を添えるなど肉と穀物の取り合わせの規定も細かいのが面白い。
大林太良は諸外国の制度と比較し、日本のご馳走には生のものか干したもの、焼いたものがあったこと、それは主に魚で、男が料理したことなどを論じている(女が作る煮物は日常の家庭料理で、ハレの日の料理にはみられなかった)。正月の魚が西日本がブリ、東日本がサケなどの違いも面白い。
さらに、北方ツングース民族のサケマス類の天日干し(寒い地域では製塩がしにくいため塩蔵の食文化が発達せず、また塩蔵しなくとも長期保存が可能だった)や生食の文化と稲作民族の熟鮓の文化が富山で結合し、マス寿司になったなどの考察や、韓国やアイヌの食文化、そして古代縄文の食べ物、特に縄文遺跡からイルカの骨が大量に出土した真脇遺跡付近は、今ではイルカは食べられていないものの、近世は捕鯨の港町であったことなどが発表されている。
延喜式にみえる日本海地域の貢進を調べた門脇禎二、富山の日本酒と中国大陸の酒を比較した小泉武夫の発表もおもしろい。
日本海をめぐる北と南、東と西の豊かな食文化の講演会が、ちょうど日本海の中心のような富山で行われたという貴重な記録で、40年の後の今日に読んでも面白い。
著者は日本中世史の学者・網野善彦。といっても、日本史学の本流である政治史ではなく、中世から近世にかけての漁民や流通に従事した名もなき人々や、寺社の清掃や牛馬を扱う人々などを研究していた、言ってみれば異 …続きを見る
音のいい部屋、というタイトルですが、
有名人がレコードプレーヤーを置いている部屋の写真集といったほうが近いです
とにかく音に拘りまくったオーディオルームの写真集というわけでもなく、リビングにぽ …続きを見る
プラモ屋に行くと置いてある、かわいい装甲女の子がパッケージに描いてあるプラモデル、ありますよね
フレームアームズ・ガールというシリーズもので、そのパッケージ画像と、開発者インタビューをまとめた本です …続きを見る
またも全写真モノクロ
1975年、普通にカラー写真あったでしょ……
しかも写真のセレクトが同じくひどくて、リヤだけの写真になんの意味があるのさ……
写真をカラーにするだけで一気に商品価値が上がる …続きを見る
点数をつけるなら80点だけどトレイルに対する知識がなさすぎるので暫定で
先日読んだグランマ・ゲイトウッドの本に完全に触発されて、山を歩きたい! と思って読んでみました
日本にもいっぱいロン …続きを見る
面白すぎ
面白い本はできるだけネタバレなしで感想を書きたい
SF作家ってすごいよなあ
とんでもない発想を、とんでもない文章力で書くんだもん
いろんな属性の登場人物が、いろいろな場面に出くわ …続きを見る
これまで読んできたSFはSFじゃなかった
ちょっとこれ以前につけたSF本の点数つけ直させて! 圧倒的すぎる!
これが本当のSFだ
本当のSFとは何かと聞かれたら困るけど、これこそがSF小説だ
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