たまって最高ですよね。日本最高のプログレ・バンド。
そのたまのドラム、石川浩司さんの回顧録。
文章が個性的ですねー。だからこそちゃんと本人が書いてるんだなと信頼できる。
ゴーストライターの存在があるはずもなく、語り起こしでもない。
間違いなく石川浩司さん御本人の文章。
ゴーストライターの本に価値が無いことは言うまでもありませんが、語り起こしもあまり好きじゃないです。言葉と書き文字って違うので。重みも内容も。
たまの結成までの経緯や、活動内容、メンバーの脱退から解散まで、ファンの知りたいことを綴っているのですが……逆に言うとそれしか載っていない
「俺はズギャギャギャギャーン! と大噴火した」とか「うひょひょひょひょーい! とばかりについていった」とかそんな表現ばっかり。
だからこそ石川浩司さんが書いたものだ、石川浩司さんにしか許されない表現だ! と納得できるんだけど、それで紙幅を取られるのが厳しい。なんかもっと書くことあるでしょう! と
メンバーが脱退を申し出たときの様子やイカ天や紅白に出たときの心境をものすごくスパッと簡潔に書いていて、それはもったいぶってなにも書かない人よりは断然いいんだけど、でもそういったトピックをもっと知りたいじゃない。
でもここに書いている以上のことはなかったんだろうな、とも思う。
それなのにこのシリーズの2冊目がいま出てて、「ほら! 書くことめっちゃあったんじゃん!」となってます。
だからほんと、石川浩司さんにしか許されない本です。