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2021/11/19
ホラー、民俗をテーマに小説を書いてきた坂東眞砂子のデビュー作。
久しぶりに故郷の高知県の山村に帰ってきた女性は、故郷を離れてすぐ、幼馴染みが16歳で亡くなっていたことを知る。そして、その母親が四国八十八ヶ所を逆に回ることで幼馴染みを生き返らそうとしていると知り…といったあらすじだ。高知の山間部ののんびりとした雰囲気や、卒業後もずっと同級生たちが親密な様子、石鎚山や修験者といったホラー・民俗のテイストが入り、背後から死者の霊が追ってくるようなスリリングな展開もある。高知県になら地元の人も知らないような、死者が蘇る、ある地点があるのかもしれないと思わせる説得力がある。最後、寝たきりだった幼馴染みの父親が思わぬ活躍をする。
この小説が書かれたのは90年代だが、今現在の高知県の山村、山の上に開けたような集落はますます過疎化がすすみ、物語を作るのは難しくなっているのかもしれないと感じた。
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