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2018/03/29
作者の紡ぐ詩的な情景が堪らなく美しい。心が洗われる作品。『空が灰色だから』などの以前の阿部共実の絵はどこか2D的で、奥行きがなく、ポップアートのようで、それが阿部共実の良さでもあったんだけど、本作は絵が良くも悪くもレベルアップして、これまでのポップアートの阿部共実から、漫画家の阿部共実に変貌と遂げたといっていい。漫画的な表現を覚えたことによって、多くのメジャーな漫画家タッチの絵に一歩入りこんでしまった部分があって、阿部共実の個性が少し薄れてしまったようで、そこが寂しくもあったんだけど、『月曜日の友達』では、今の3Dも表現できる絵でしか描けない内容になっていて、この人は本当にとんでもないなと思いました。
アドセンス336×280レクタングル(大)
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