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2018/03/29
ヨシタケシンスケの絵本は一点の曇りもない、人間賛歌のような作品ばかりだけど、今作は本人の子育てエッセイだけあって、ここにあるのは優しいだけの世界ではありません。ヨシタケシンスケの絵本を読んで、優しさのカタマリみたいな人間性だったり、作品を想像していると、ちょっとがっかりするかもしれない。でも僕みたいに「ヨシタケシンスケの素晴らしい絵が大量に見られればいい!」という考えの人にはぴったりの本。
アドセンス336×280レクタングル(大)
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